タンパク質科学
タンパク質はアミノ酸がペプチド結合によって結合した高分子であり、生体内において様々な酵素活性を持ち、生命活動を支える最も重要な物質である。タンパク質を立体構造の特徴に従って分類すると、大きく球状タンパク質と線維状タンパク質に分けることができる。
球状タンパク質は細胞質基質に溶解し、他の分子と相互作用しながら、代謝や免疫などの酵素活性を示す。球状タンパク質の特徴として、タンパク質の表面は親水性のアミノ酸が、内部では疎水性のアミノ酸が配置されている。特に内部の疎水性アミノ酸が密にパッケージングされ疎水コアを形成している。
これに対して、線維状タンパク質は髪の毛、爪や皮膚などを構成するタンパク質である。コラーゲンなどが代表例である。また、チャネルやポンプなどの機能を持つ膜タンパク質も線維状タンパク質に分類される。
タンパク質の長さについては短いもので 90 ペプチドから長いもので 1,000 ペプチドにも及ぶものが存在し、100-500 ペプチドのタンパク質が多い。原核生物のタンパク質の平均の長さが真核生物のそれに比べ短いことが報告されている。また、よく保存されているタンパク質がそうでないタンパク質に比べ、平均長が長いことが報告されている。